伊勢神宮・外宮から、旧参宮街道(古市街道)に入り、小田橋を渡り、尾部坂を登り、いよいよ江戸時代には国内有数の繁華街だった古市にやってきました。ここまで約1時間です。
伊勢古市参宮街道資料館の向かいは、高速道路(伊勢自動車道)の交差点があります。高速は地下を通っており、古市街道と側道が交わる交差点は広場になっています。
ちなみに、朱色のオブジェの奥に見えるふたこぶの山は「鼓が岳」で、かの西行が伊勢(宇治山田)に逗留していた時に、鼓が岳の和歌を詠んだりしています。
この付近はやはり道が江戸時代規格で狭いので、歩行時はクルマに気を付けてください。
古市を過ぎ、今では完全に閑静な住宅街になった街並みを歩いていきます。
数分で、右手に巨大な石灯籠が並んでいるのが目に入ります。明治時代の篤信家が建立した奉献灯です。
古市街道はここから急な下り坂になります。「牛谷坂」と呼ばれています。
かつてはここが伊勢神宮・内宮の鳥居前町である宇治(ちなみに、外宮の鳥居前町が山田)の境界に当たり、宇治惣門という門があり、宇治の町に入る人々を監視していました。
ここで旧古市街道は終了です。道は御木本道路、つまり、外宮前広場の前を通る4車線の自動車道に合流し、一気に観光地ムードが高まります。
この交差点(三叉路)を左に曲がります。
すると、猿田彦神社があります。大正時代に創建された伊勢では比較的新しい神社で、クルマのお祓いや七五三参りなどで親しまれています。
猿田彦神社を過ぎると、宇治浦田町の大きな交差点はすぐです。ここは外宮から続く御木本道路と、名古屋方面からの国道23号が交差する場所で、週末や観光シーズンには大渋滞が発生します。
この交差点を過ぎて、すぐ右側が「おはらい町」の入り口です。
今となっては想像できませんが、昭和の終わりごろまでは、普通の住家が並ぶどこにでもあるような路地でした。平成5年に第61回式年遷宮が斎行されるにあたり、赤福グループが再開発を行って「おかげ横丁」というテーマパークを建設しましたが、それに合わせて景観の整備が行われ、今のような姿になったのです。
ここまで、外宮前から1時間半ほどです。さすがに疲れてきたので、おはらい町にある赤福本店でちょっと休憩。
疲れた体に甘味は効きます。さっぱりと渋い、温かいほうじ茶も疲れを癒してくれます。
赤福本店から数分で、伊勢神宮・内宮のシンボルである宇治橋の大鳥居前に到着します。
まだ朝9時ごろなので人は少ないですが、これからどんどんどんどん人が押し寄せ、混雑が始まることでしょう。
しかし、自分の足で歩いてくると内宮参拝もありがたみが増すように思えるから不思議です。普通の体力があれば外宮と内宮は1時間半~2時間程度で歩くことができますから、ゆっくりといにしえの宇治山田に触れたい方は、ぜひ両宮を歩いて参拝されてはいかがでしょうか。
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