この屏風は伊勢信仰が庶民にも定着した江戸前期(17世紀後半)の製作と推定され、一対を成す右隻と左隻のうち、右隻は名古屋市博物館が所蔵していますが、左隻については長らく行方が不明となっていました。
中日新聞 CHUNICHI Web より |
屏風は、縦が1メートル、幅が3メートルある大きなもので、名古屋市博物館蔵の右隻には、「宮川の渡し」から外宮へ至るにぎやかな門前町が描かれています。
今回発見された左隻は、内宮への入り口となる宇治橋や、人々が参拝後に精進落としをした歓楽街、女性芸人が三味線を弾いて参詣者を楽しませた習俗などが描かれています。
なぜこの屏風が発見されたかですが、根津美術館が特別展「尾形光琳の燕子花(かきつばた)図」の準備で館蔵品を調査する中で、表現方法が名古屋市博物館と酷似する屏風があることを確認したとのこと。
左隻は1933年に根津美術館の礎を築いた根津嘉一郎氏が古美術商から購入した記録があり、根津美術館では名古屋市博物館から右隻の貸し出しを受け、90年ぶりに左右一対が揃った形で4月13日から展示されるそうです。
■根津美術館 ホームページ
■中日新聞 CHUNICHI Web 最古の伊勢屏風左右そろう(2019年4月13日朝刊)
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