2018年10月14日日曜日

伊勢神宮の外宮と内宮の間を歩く(1)

伊勢神宮の内宮(ないくう)と外宮(げくう)の間は直線距離で約4㎞、道路の最短距離で約5㎞離れています。普段から歩く習慣がある人なら90分ほどで歩ける距離ですし、伊勢(宇治山田)の街並みを見ながらぶらぶら歩くのもいいものですので、ぜひこの秋は両宮の間を歩いていただいてはどうかと思います。
外宮から内宮までを、江戸時代のメインルートだった参宮街道(日本有数の歓楽街だった古市を経由するので、古市街道とも呼ばれます)を歩いていくルートをご紹介しましょう。

出発点は、伊勢神宮の最寄り駅であるJR伊勢市駅からにします。この駅は近鉄との共同駅なので、近鉄利用の方はJR側の出口に回ってください。


駅前は広場になっており、2013年に行われた第62回式年遷宮を記念して建てられた鳥居が建っています。伊勢神宮・外宮へはこの鳥居の道をまっすぐに西のほうへ進みます。(たいへんわかりやすいので、迷うことはありません。)


道の両側には土産物店や飲食店が建ち並んでいます。昼間はかなりの人出になりますが、この写真を撮ったのは早朝だったため人はほとんどいません。

歩いて10分足らずで外宮が見えてきます。


外宮前には御幸道路(みゆきうどうろ)と御木本道路(みきもとどうろ)という大きな道路が二本並行して通っているので、横断歩道が二つ連続する変則的な交差点です。


外宮は正式には豊受大神宮と言い・・・といったような説明は、このブログ以外にいくらでも観光案内のサイトがあるのでそちらをご参照ください。
内宮に比べて、外宮は平坦な土地にあり、宮川の舟運など交通の便も良かったため、早くから山田という大きな鳥居前町を形成していました。
外宮はそもそも内宮の祭神(天照大神)に食事を提供する「御食津神」(みけつかみ)が沿革です。なので、内宮に従属する地位にあるはずですが、山田は内宮が立地する宇治(注:もちろん、伊勢の「宇治」であり、京都にある「宇治」ではありません)よりも人口も経済力も大きかったため、鎌倉時代ごろになると、外宮は内宮と同格か、むしろ優越していると主張する「伊勢神道(度会神道)」が生まれたのでした。
それはさておき。

外宮をお参りしたら、先ほどの連続する横断歩道の場所まで戻ります。そして、御木本道路のほうを、右方向に進みます。この写真でいうと、手前の歩道を右方向に進むことになります。


歩道を5分ほど歩くと、「岡本1丁目」という交差点がありますので、それを向かって左側に進みます。
下の写真の、左側(赤信号の見える方向)に進みます。



岡本1丁目交差点を左に渡ると、大きな屋根の建物が見えます。目的の参宮街道(古市街道)は、ここをさらに右に曲がります。看板が出ているので見落とさないようにしてください。



大きな建物は「祖霊殿」で、伊勢特有の神道式の葬儀場です。


この参宮街道への入り口さえ見つけられれば、あとは基本的に道沿いにまっすぐ行けば内宮まで行くことができます。江戸時代は外宮と内宮の間をつなぐ大きな道は、このルートしかありませんでした。江戸や上方をはじめ、全国各地からお伊勢参りになってきた何十万もの人々のほとんどは、この古市街道を通って内宮に向かったのです。
それでは、次回から、この道をぶらぶら歩いてみることにします。

***ご注意***
古市街道の大部分には歩道がありませんから、クルマには十分気を付けてください。
また、途中には公衆トイレはありませんので、その点もご留意のうえお歩きください。

(つづく)


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